最も原始的園芸「原種」・・・・栽培。
人間が植物の育種を最初に行ったのがタネのないバナナの発見だと考えられている。
突然変異の3倍体のバナナの発見。
この突然変異の発見を・・・広い意味での「育種」と考えれば・・・・。
有性生殖による交雑による育種。
コルヒチンによる倍数体個体の作出。
放射能照射による人為的突然変異個体の作出。
細胞融合による育種・・・。
人類は、神が創り残した、作らなかった植物を何千年にもわたって作る行為を行ってきた。
人間にとって有為な植物である。
この行為は・・・・花の分野でも古代から行われて来た。
ネアンデルタール人が・・・死者に花束を奉げたときから、
植物の生殖器が「花」になった。


こういう植物と人類の関係から俯瞰すれば・・・・
ラン界の原種栽培、原種愛好というのは、まことに「原始的園芸」である。
山堀り株崇拝。
この狂信的までの愛好が、園芸の原点でもあるのだが・・・・
21世紀の地球の生物という視点からみれば・・・・
絶滅危惧種という問題も浮上して・・・・18、19世紀のプラントハンター時代とは、
価値観も時代も大きく変化している。
クジラ、クロマグロ・・・で世界会議が開かれる時代である。
そういう時代背景の中で2010年4月。
人間が世界で初めてウナギの完全養殖に成功した。
これは1853年、ペリーの黒船が浦賀に姿を現わしたとき・・・
イギリスのドミニー博士が・・・・ラン菌によるランの発芽成功したのと同じである。
更に、ナドソンのラン無菌培養の成功と同じものである。
人間による増殖。
この対極にあるのが・・・・狂信的な山堀り株崇拝である。
ワシントン条約で採取が難しくなると・・・・・
逆に・・・・山堀り株を・・・・貴重株と・・・・愛好し優越感に浸る心理。
しかし、ラン菌には興味が無い????
美女には興味ありだが・・・美女の胃の中に住むビフィズス菌には興味は無い???
原種ブームなるものも、所詮・・・ビジネスの仕掛けに過ぎない。
大した深い意味があるわけではない。
原種を栽培したところで・・・ラン界に足跡を残せないのだから・・・。
一過性のラン愛好である。


原種を作らない者はラン栽培家にあらず!
こんな空気が趣味のラン世界にあるようである。
ランの本は原種の特集を組む。
豪華な変種コレクションの本も出版される。
更に究極とも言える「山掘り株」の崇拝思想まで出現する。
秘境のランが・・・人間のために生きてきた!
ラン愛好家のためにある!
ラン界とは不思議な世界である。

原種、山堀リ株栽培が崇高な園芸であれば、
当然のことながら、その栽培は自生地再現した栽培でなければならない。

しかし、栽培現場で、ラン栽培では自生地を再現したものではない。
多くの人が、今年もラン自生地に足を運んだ。
しかし、菌根植物であるランの自生地で、ラン菌に目を向けた人は、
何人いるであろうか・・・・。
ラン菌削除の用土での栽培で・・・・
本当にランは喜んで生きているのであろうか。
喜んで花を開いているのであろうか。
地球上の全ての花は、子孫を残すために咲く。
美しいが故に・・・多くのランが乱獲される。

このラン菌による炭素循環栽培法は・・・・
異郷の地に生きるラン、植物達に、
自生地を再現した用土で、喜んで生き花開いて頂くための栽培法である。
21世紀のラン栽培、植物栽培は、少なくともイジメテ咲かせる園芸ではなく・・・・・
ランが、植物が元気に、喜ぶ園芸でなければならない。

水ゴケに植えられて喜んでいるか・・・・
バークに植えられて喜んでいるか・・・。
軽石に植えられて喜んでいるか・・・・。
・・・・・・。
栽培の原点、根本である用土から、農業、園芸というものを考え実践する・・。
SUGOI-neという用土は、そういうものである。
こういう理念から生まれた用土である。


ラン栽培について記すと・・・
ラン科植物の全て26000種が・・・・例外なく全て菌根植物である。
菌根植物というのは菌と共生した根を具備している。
なぜ、このように進化したのか。
簡単に考えれば・・・植物の多様な進化、多様性から考えれば・・・・
26000のランの中に・・・一種でも菌根植物でないランが存在しても、発見されてもよさそうなものである。
しかし、現在まで一種も発見されていない。
この頑固なまでの信念、理念は・・・・何故なのか????
ダーウインは言う。
適者生存。
環境に適応したものが生き残る・・・。
スローモーな生き方も、菌根を捨てなかったのも・・・・絶対の意味があるに違いない。
ランがランであるための。

私達は、このラン科植物の揺るぎない生き方、進化における選択を・・・
ラン菌削除の用土で栽培してきたという過ちを犯してきた。
人間がランを栽培した年月は・・・たかだか数百年である。
ランの進化の年月からみれば一瞬であろう。
ラン栽培に、ラン菌の科学がなかった。
これは人間に当てはめると・・・・・
胃にビフィズス菌が生息して勝ち組みになっていると健康。
ピロリン菌が繁殖すると・・・・胃潰瘍、胃癌になる・・・・という大発見。
近年の科学的大発見である。
これを発見した学者にノーベル賞が授与された。
菌の世界は・・・・未知の領域である・・・・。
菌根と人間の胃。
そこには・・・・菌との共生という生物の共通点がある。
ラン菌が勝ち組みになっているエリアこそランの自生地なのである。
だから、自生地では無病なのである。
誰も消毒などしない。
誰も肥料など与えない。
でも、健康に生きている!
ラン菌という菌はどういう処、条件のところに生息する菌なのか???
これを知れば、SUGOI-ne栽培は大成功する。
ランの自生地はランが主役の場所ではない!
ラン菌が主役の場所である。

SUGOI-ne栽培を行う場合は、このことを先ず考えて行ってください。
SUGOI-neを否定した人は、もう一度、このことを考えて、再挑戦していただきたい。
原種愛好、崇拝と用土
          山堀リ株崇拝と自生地再生
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